「うちの子、歯並び大丈夫かしら・・・」このように、お子さんのお口の中の悩みとしてよく聞かれるのが、お子さんの歯並びです。お子さんの歯並びの良し悪しは、顎の広さおよび、顎の成長が大きなポイントです。今回は、お子さんの歯並びに関するお口の成長についてお話をいたします。
乳歯の隙間はよい傾向
隙間だらけの乳歯の歯列は、ぱっと見たときにその見た目がとても気になるでしょう。乳歯が隙間だらけで「この子はすきっ歯だ」と思うかもしれません。しかし乳歯の隙間は悲観することではなく、むしろ歓迎すべきことなのです。と言うのも、永久歯は乳歯より歯が大きいため、歯が並ぶためのスペースが必要となります。乳歯の隙間は永久歯が正しい位置に並ぶために必要なのです。
これに対し、乳歯が隙間なくきれいに並んでいると、永久歯に生え変わったときに永久歯が並ぶスペースが不足し、正しい位置に並ばない可能性が高くなります。正しい位置に並ばないということは、つまり歯並びがガタガタと乱れていることを意味します。
一見きれいに並んでいる乳歯の歯並びは、実は将来の歯並びの乱れに大きく関わってしまうのです。
幼少期の顎の骨はまだまだ成長します
乳歯の歯並びが隙間なくキレイに並んでいるのは、顎の骨の小ささ、狭さを表しています。歯並びが心配で歯科医院を受診すると、矯正治療を視野に入れたほうがいいかもしれないと言われる可能性が高いでしょう。
もちろん矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えるための最も有効的な手段ですが、その前にすべきことがあります。それは、顎の骨を鍛え、成長させることです。幼少期の顎の骨は成人に比べて柔らかく、鍛えることでまだまだ成長することができるのです。しっかり鍛えて顎の骨を広げてあげると、永久歯が正しい位置に並ぶ可能性は十分あります。
顎の骨を鍛えるためには、まず前歯でしっかりと噛むことです。前歯を使ってしっかり噛んで食べるような食材を使いましょう。りんごやきゅうり、とうもろこしなど大きめに切った果物や野菜を食事やおやつに取り入れてみてください。
また幼少期特有のクセが長引くと、歯並びに影響してしまいます。特に口呼吸は歯並びの悪さだけでなくむし歯や歯肉炎、さらには顔貌など様々な悪影響を引き起こします。テレビを見ているときやゲームの最中など、無意識に口が開いてしまうお子さんは、唇で割り箸などを挟んでおくトレーニングがお勧めです。
お子さんの歯並びは顎の骨の成長が大きなポイントです。毎日の食事内容や悪癖などに気をつけてあげましょう。それでも歯並びに問題がある場合は、早めに顎の骨の成長を促す矯正治療を行うことで、お子さんに過度な負担をかけずに歯並びの改善が見込めるかもしれません。
お子さんの歯並びが気になったらまずはしっかり噛むことを意識付けながら、いちどかかりつけの歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
