歯列矯正は、数回で終わるむし歯治療などと異なり、長い期間治療を行わなければいけません。お子さんにとってゴールが遠く、くじけそうになることもしばしば起こるため、矯正治療は忍耐が必要な治療とも言えます。そして無事に矯正治療のゴールを迎えるためには、保護者の方も一緒に頑張らなければいけないのです。

矯正治療の種類と期間について

お子さんの矯正治療には色々な種類があり、年齢や症例によって適用される治療法が異なります。まずお子さんに行われる矯正治療の種類についてご紹介しましょう。

・床矯正・・・顎の骨を拡大し、永久歯が正しい場所に並ぶためのスペースを確保するための矯正治療。乳歯と永久歯が混在する。治療期間は約3~4年。

・ワイヤー矯正・・・歯の表面にブラケットを取り付け、そこへワイヤーを通して歯を動かす治療法。床矯正から引き続き行う場合と、永久歯が全て生えたお子さんが初めて矯正治療を行う場合に適用される。また抜歯を行うこともある。治療期間は2~3年ほど。

・裏側矯正・・・歯の裏側に矯正装置を付けて歯を動かす。歯の裏側に装置を付けるため、目立ちにくい。治療期間は約3年。適応できない症例が多い。

・マウスピース矯正・・・取り外し式のマウスピース型矯正治療。第二大臼歯が生えていれば、治療可能。治療期間は1~3年。

 

また、矯正治療後に後戻り防止のためのリテーナー(保定装置)を数年装着する必要もあり、トータルの治療期間は思っているよりも長く感じられると思います。

 

矯正治療を止めたくなる理由について

高い費用と長い期間が必要になるお子さんの矯正治療。頑張ればキレイな歯並びが手に入り、将来の歯の健康維持にも大きな役割を果たします。

しかし、残念ながら途中で矯正治療を止めてしまうお子さんも少なくありません。矯正治療を途中で止めてしまうのには、次のような理由が考えられます。

・お子さんの、矯正治療に対するモチベーションが下がってしまった

・塾などの習い事で忙しく、歯医者に通院することができなくなった

・装置が壊れてそのままになってしまった

・歯科医師との相性が悪い

せっかく始めた矯正治療も、このような理由で止めてしまうことがあります。

 

保護者の励ましと協力が不可欠

先ほどご紹介した矯正治療を止めたくなる理由は、お子さんが原因によるものです。しかし矯正治療を途中で止めてしまう理由に、保護者の方の協力が得られなかったということもあります。

最も多いのが、お仕事などの都合で歯科医院に連れてくることが難しくなり、だんだん足が遠のいてしまうというパターンです。お子さんが一人で診察を受けることができるほど近い場合はラッキーですが、歯科医院まで遠く、車や電車などを使わないととても通院できない場合もあります。

またお子さんの歯並びへの関心が薄くなり、通院が面倒になってきた、と感じる親御さんもいらっしゃらないわけではありません。

矯正治療は長い道のりです。親御さんの励ましや協力なくしては、お子さんの矯正治療はうまくいきません。せっかく矯正治療を始めたのなら、最後まで一緒に走り抜けてあげるよう、協力してあげて下さい。

 

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