乳歯が抜けると、ほどなくして永久歯が生えてきます。生え変わりはお子さんによって個人差がありますが、乳歯が抜ける気配が全然ない場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。

永久歯の元となる「歯胚」があるかどうか

歯の数は、乳歯が上下左右合わせて20本、永久歯は親知らずを除くと28本あります。大臼歯は乳歯がない部分から生えてきますが、それ以外は乳歯が抜けて永久歯が生えてきます。永久歯への生え変わりは個人差があり、早い子もいれば他のお子さんよりも遅い場合もあります。周りに比べて生え変わりが遅いと親御さんは心配になるかもしれませんが、永久歯の存在が認められれば生えてきますので、心配する必要はそれほどありません。

永久歯の存在はレントゲン写真で確認できます。乳歯の下に永久歯の元となる「歯胚(しはい)」があれば、永久歯は生えてきますので、まずは永久歯の元となる歯胚の有無を確認します。

永久歯が足らない「先天性欠損」について

しかし、レントゲン写真で歯胚が確認できない場合、永久歯が先天的に足らない「先天性欠損」ということになり、永久歯の数が本来の数よりも少ないという事になります。欠損の本数は1本から数本にわたることがあります。また先天性欠損は10人に1人という、比較的高い割合で起こっています。

先天性欠損歯の原因は遺伝やお母さんの妊娠中の栄養不足などが言われていますが、はっきりとした原因は不明です。

先天性欠損歯と診断されたら?歯並びにどう影響する?

乳歯がなかなか抜けずにおかしいな?と思う事で先天性欠損歯とわかることがあります。では乳歯は一生抜けないかというと、実はそうではありません。乳歯は根が短く、いずれは根が吸収されて抜け落ちると考えられます。また乳歯は虫歯になりやすいため、治療を繰り返しているうちに抜けてしまうことがあります。後から生えてくる永久歯がないじょうたいであれば、乳歯を失ったあと、すき間が開いたままになってしまいます。この状態が続くと、抜けた乳歯の両隣の歯が傾斜し、歯並びが悪くなってしまいます。また反対の噛み合う歯が伸び、噛み合わせにも異常が出てくるなど歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼしてしまいます。

乳歯が抜けてすき間があいた場合、矯正治療によって奥歯を引っ張ってくる方法などが取られますが、症例によって異なるため、一概にどの治療法が行われるかは担当医の判断によります。

もしいつまでたっても乳歯が抜けない場合、まずは永久歯の有無を確認するためのレントゲン撮影などが必要になります。お子さんの乳歯に関して心配事があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。

 

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