お子さんの歯並びに関するお悩みは色々ありますが、そのうちのひとつに「受け口」があります。受け口とは、上の歯よりも下の歯が前へ出ている不正咬合です。横から見ると顎がしゃくれたように見えるため、大きくなるにつれてコンプレックスを感じるようになるでしょう。特にお子さんが受け口だと、将来がとても心配になると思います。

 

受け口は、割と早期に傾向が見え始めます。そのままにしておくと、だんだん顎が前に出てしまってよりコンプレックスが強くなると思います。子どもの受け口は早期治療がとても大切ですが、それはなぜでしょうか。

 

受け口はどんな問題点がある?

受け口は、反対咬合とも呼ばれ、下の前歯が上の前歯よりも前へ出ている不正咬合です。本来なら上の前歯が下の前歯を2~3ミリ覆っているのが正しい噛み合わせですが、反対咬合になると、様々な問題が生じてきます。

 

最も大きな問題点はやはり見た目です。下顎が成長するにつれ、顎がだんだんと前方へ出てきます。そのため横から見ると顎がしゃくれたように見えるため、審美面を大きく損ねてしまいます。

 

また奥歯の噛み合わせが悪く、咀嚼に影響が出てしまいます。顎の関節にも影響し、一日の終わりに顎が痛い、だるいといった症状が起こりやすくなります。

 

そして発音にも影響が出てしまうことがあります。空気が漏れたような発音に聞こえることが多く、相手に明瞭に伝わりにくいといったことがよくあるようです。

 

このように、受け口は見た目に加え、日常生活において様々な影響が出てしまう不正咬合なのです。

 

受け口の原因は?

受け口になってしまう原因は、遺伝による骨格的なものと、日常的な癖による環境的なものが考えられます。

 

両親や家系的に受け口の場合、お子さんにも高い確率で受け口になってしまいます。両親が受け口の場合、お子さんも受け口にならないかどうかとても心配になられることでしょう。

 

また遺伝だけが受け口の原因ではありません。長期の指しゃぶりや口呼吸、舌で下の前歯を押すなど日常的な悪癖が長期間続いてしまうことで、受け口になってしまうことがあります。指しゃぶりというと出っ歯のイメージがあるかもしれませんが、受け口になることもありますので、要注意です。

 

受け口かも?と思ったら早期治療を

子どもの矯正治療は早めに始めるに越したことはありません。特に受け口はそのままにしておくと、顎の成長に伴いどんどん悪化してしまいます。そのため早期に治療を開始することで悪化を防ぎ、正しい噛み合わせへ改善することが可能になります。

 

しかし受け口の治療はとても難しく、いちど治療をして改善されたものの、成長とともにまた受け口になってきた、というケースも珍しくありません。

 

と言うのも、子どもの成長を予測するのが難しいためです。成長とともに、顔の骨格や顎の大きさも変化します。それに伴い、当初では予測できなかった再発というトラブルが起きるかもしれないのです。

 

このように、受け口の治療はとても難しいものです。また「もう少し様子を見てみよう」という猶予がない症例でもあります。成長してから治療を開始しても、思うような結果が得られないこともありますので、お子さんの受け口が気になる方は、できるだけ早く専門医に相談するようにしましょう。

 

 

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