食べることが大好きなお子さんが矯正治療を始めると、気になるのが矯正装置への影響ではないでしょうか。矯正治療を始めると、食材などによって装置が壊れたりしないかなど心配なことが出てくるのではないでしょうか。大人なら我慢できても、食べ盛りの子どもはなかなか我慢させるのが大変で、親御さんとしては食事に関する不安を感じてしまうことと思います。

今回は、矯正治療中のお子さんの食事や気を付けたい食べ物についてお話いたします。

矯正中の食事によって起きやすいトラブルとは?

お子さんの矯正装置は、拡大装置やインビザラインに代表されるマウスピースといった取り外し式の装置と、ワイヤーを使った固定式の装置が使われ、歯並びの状態や永久歯の生え方、年齢などによってどの装置を使うのかが決められます。取り外し式の装置なら食事にもあまり影響がありませんが、ワイヤー矯正のような固定式の装置の場合、いくつかトラブルが起きやすくなります。では矯正中の食事は、いったいどのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。

①装置が壊れてしまうトラブル

まず心配なのが、食べ物によって装置が壊れてしまうトラブルです。特にキャラメルやお餅といった粘着性の強い食べ物は、ブラケットなどにくっついて取ろうとしたときに、外れてしまうトラブルが起きてしまいます。

またインビザラインでも、アタッチメントという小さな突起をつけている場合、粘着性の強い食べ物によって取れてしまうことがあります。

このように、食材によって装置が外れてしまう、壊れてしまうといったトラブルがまず挙げられます。特に子どもは粘着性の強い食べ物を好む傾向があるため、こういったトラブルが起こりやすいと言えます。

②装置に色がついてしまうトラブル

ワイヤー矯正の中でも、目立ちにくい装置を使ったものがありますが、中には色の濃い食べ物で色素がついてしまうことがあります。例えばレジンを使ったプラスチックのブラケットの場合、一見すると装置が目立ちにくいですが、カレーやミートソース、チョコレートなどでブラケットに着色してしまうことがあり、装置の汚れとして目立ちやすくなります。

また顎間ゴムを使っている場合も、ゴムに色が付きやすくなります。特にカレーを食べたときなどはすぐに黄色く変色してしまいます。

③装置に食べ物がひっかかってしまうトラブル

たとえばえのきやニラ、鶏肉の繊維などは、装置に引っ掛かりやすい代表的な食べ物と言えます。そして多くのお子さんは、こういった食べ物が好きなのではないでしょうか。装置に引っ掛かっても取ればいいと思うかもしれませんが、ご自身に置き換えて考えると、歯の間に挟まった食べ物を取り除くのはとても面倒です。お子さんも、食べたいのに「引っかかるから食べないほうがいい」と言われると、食べたいのにストレスを感じてしまうかもしれません。

このように、食べ物や食材によっては矯正装置を壊したり、色素がついて見た目を悪くする可能性があるため、気を付けてあげなければいけません。

子どもの気持ちを尊重してあげることも大切

お子さんの矯正治療中に気を付けたい食べ物や、それによって起こりうるトラブルについてお話をいたしました。歯並びを治してあげたくて、矯正治療を頑張らせようとすることはとても大切です。しかしそれによって食べたいのに矯正治療が終わるまで一切食べてはいけない、となると、お子さんの気持ちがマイナスに傾き、「矯正治療なんて嫌だ!今すぐやめたい!」ということになりかねません。

絶対に食べてはいけないというわけではありません。例えばカレーやミートソースなどは多くのお子さんが大好きな食べ物だと思います。食べたあとはすぐに水を飲んだり歯磨きをする、ゴムを交換した直後ではなく、次のゴムの交換直前に食べるようにするなど、ちょっとした心がけでトラブルを減らすことは可能です。

お子さんの「食べたい」という気持ちを尊重して工夫をしながら、上手に矯正治療のモチベーションを保ってあげましょう。

 

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