可愛い我が子がにっこりと笑ったときの歯並びにすき間があると、将来の歯並びが心配になるのではないでしょうか。乳歯の時期の歯並びの状態が、永久歯に生え変わってからの歯並びに大きく影響しますが、実は乳歯の間はすき間があるほうがよいのを知らない方が案外多いのではないかと思います。ではなぜ乳歯の間の歯並びはすき間があるほうがいいのでしょうか。
ぱっと見た感じはきれいな乳歯歯列ですが・・・
白くて小ぶりな可愛らしい乳歯。またその年齢特有の可愛らしさも加わり、にっこりと笑った口元の歯並びがきれいに整っていると、さらに可愛さが目を引くことと思います。
まだ永久歯がはえていない場合、乳歯がすき間なくきれいに生え揃っているお子さんもいれば、歯と歯の間にすき間が空いて生えているお子さんもおられます。
ぱっと見た感じでは、きれいに生え揃っているお子さんに目がいくかもしれません。すき間がたくさん空いているお子さんの歯を見て「将来すきっ歯になるのでは?」と心配される親御さんも当然おられると思います。
しかし、のちに生えてくる永久歯の歯並びのことを考えると、乳歯の歯列はある程度すき間が空いていた方がいいのです。これはなぜでしょうか。
なぜ乳歯歯列の間はすき間があるほうがいいの?
乳歯の歯列がすき間なくきれいに揃っている場合、ほとんどと言っていいほど永久歯列の歯並びが乱れます。これは、永久歯は乳歯より大きいため、歯が並ぶスペースが足らなくなるからです。
乳歯が抜けたあとに生えてくる永久歯の並ぶ場所が不足すると、当然永久歯の並ぶ場所がなくなり、重なって生えたり、並ぶべき場所を失って押し出され、傾いて生えてしまいます。その結果、叢生と言われるガタガタの歯並びになってしまうのです。また顎の小ささも、歯並びに大きく影響します。
永久歯がガタガタの歯並びになってしまったお子さんの口元を見て、親御さんは「乳歯の間はあんなにきれいだったのに・・・」とショックを受けるかもしれません。逆に「小さいときはすきっ歯だったのに、永久歯がほんときれいに揃ってくれた」と永久歯の歯並びを見て安心する親御さんもいらっしゃると思います。
このように、乳歯の歯列はある程度すき間が空いていた方が、のちの永久歯の歯並びが大きく乱れることは少ないのです。
乳歯にすき間がない歯並びの場合、早めに相談を
乳歯のすき間がないきれいな歯列をそのままにしておくと、永久歯の歯並びになった時に抜歯をして矯正治療をしなくてはいけなくなるなど、お子さんに負担がかかってしまいます。乳歯がきれいに生え揃っていた場合のリスクを考え、早めに専門医に相談することで永久歯列への影響が少なくて済む可能性が高まります。
乳歯の歯列がきれいなほど、将来的な歯並びへのリスクが非常に高くなることをまずしっかり理解しておきましょう。