お子さんの歯並びや噛み合わせの乱れは、できるだけ早くから治療にとりかかるほうが良いと言われています。また使用する装置はお子さんの状態によって様々ですが、その中の選択肢としてインビザラインがあります。インビザラインというと大人のための矯正では?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。では子どもでもインビザラインで治療ができるのでしょうか。

子どものためのインビザラインとは?

これまでのインビザラインは、永久歯がほぼ生え揃った状態から適応となっていました。時期としては、13歳臼歯が生え始める中学生に入った頃が目安とされており、いわば第二期治療における選択肢としてワイヤー矯正とともにインビザラインがあげられており、乳歯と永久歯が混在する第一期治療では対応外となっていました。

その後日々改良が進み、乳歯と永久歯が混在する小さなお子さんでも使える「インビザライン・ファースト」が開発されました。インビザラインファーストは大人のインビザラインと同じ透明なアライナーを交換しながら歯並びと噛み合わせを整えていきます。

特徴としては大人と同じで目立ちにくい、食事や歯磨きがしやすい、型取りがスムーズといったことが挙げられます。床矯正のプレートと比べると上顎の圧迫感が少なく、違和感があまりないとも言えます。

小児矯正とインビザラインファーストはどう違うの?

一般的にお子さんの矯正というと、顎の骨の成長を促し永久歯が生えるスペースを確保することを目的としており、床矯正や急速拡大装置などといった装置を使って顎の骨をコントロールします。

第一期終了後は第二期治療に移行し、ワイヤーやマウスピースでさらに細かに歯並びを整えていく、という流れが主流です。治療期間は個人差がありますが、第一期治療から引き続き第二期治療を行うと、やはり治療期間は長めになってしまうことが予想されます。

いっぽう子どものインビザラインであるインビザラインファーストは、顎の骨の成長だけでなく歯並び自体も綺麗に整えることが可能です。乳歯が残っていても治療が可能なところも大きな特徴です。また永久歯が生える部分がきちんと確保されており、正確にコントロールできるのも強みと言えるでしょう。

インビザラインファースト終了後は、大人のインビザラインに移行することも可能ですので治療計画の変更や追加などもシミュレーションしながら行えるので、お子さんにとってより正しい歯列と噛み合わせの改善が期待できます。

子どものインビザラインで治療が難しいケースとは?

混合歯列期におけるインビザラインは多くの症例に対応できますが、治療が難しいケースもあります。次のようなケースではインビザラインでの対応が難しいでしょう。

・抜歯本数が多い

・骨格が原因のもの

・決められた装着時間がどうしても守れない

基本的にインビザラインは抜歯をしても治療ができると言われていますが、インビザラインは歯の移動距離がワイヤーに比べて狭く設計されています。そのため抜歯本数が多い場合、ワイヤー矯正のほうが適しています。

また骨格が原因の場合、インビザラインでは限界のこともあります。そしてインビザラインは1日20時間以上の装着が推奨されていますが、装着時間が守れないお子さんもインビザラインでの治療は困難になるでしょう。

インビザラインファーストは第一期治療としてもメリットの多い治療法です。お子さんの歯並びや噛み合わせが気になるけどどの装置にすればよいのか分からない、という親御さんはまずかかりつけ医に相談し、最適な治療法を見つけてあげましょう。

 

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