お子さんの歯並びの悪さは、口腔機能不全が原因しているかも?

小さなお子さんにとって、指しゃぶりは成長過程で自然に見られる行動のひとつです。赤ちゃんの時代から眠いときや安心したいときに無意識に指を口に入れることで、心を落ち着かせたり安心感を得たりしています。乳児期の指しゃぶりは一時的な習慣であり、必ずしも問題となるわけではありません。しかし、成長期になっても長く続いている場合には、歯や顎の発育に影響を及ぼし、将来的にかみ合わせの異常を招く恐れがあります。今回は、指しゃぶりが歯並びに与える影響についてお話をいたします。

長期的な指しゃぶりは歯並びにどのような影響を与える?

幼いお子さんは、どのような行動をしていても可愛いと思えるものです。指しゃぶりも、そのうちのひとつではないでしょうか。しかし、指しゃぶりが可愛いと思える時期は、ほんのわずかです。赤ちゃん時代に可愛く指を吸っている行動が、やがて成長するにつれてだんだんと見られなくなるのは、正常な過程でもあります。
ところが、幼児期になっても指しゃぶりが続くと、歯並びに重篤な影響を与えてしまう恐れがあります。
特に注意が必要なのは、出っ歯や開咬と呼ばれる状態です。

出っ歯になる理由

指をくわえるとき、上の前歯の裏側に指が当たり、前方へと力が加わります。その圧力が繰り返されることで、上の前歯が少しずつ前に押し出され、いわゆる「出っ歯」の状態になるのです。出っ歯は見た目だけでなく、前歯でものを噛み切る力が弱くなる、発音に支障をきたす、といった機能面の問題にもつながります。また、転倒した際に前歯が折れやすくなるなど、外傷のリスクも高まります。

開咬になる理由

指しゃぶりをしていると、指が前歯と前歯の間に入り込むため、上下の前歯が噛み合わないまま成長してしまうことがあります。その結果、奥歯だけが当たり、前歯が閉じない「開咬」というかみ合わせになります。開咬になると、前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなり、発音が不明瞭になるなど、日常生活に影響を及ぼします。特にサ行やタ行の発音がしづらくなるケースが多いです。

いつまでにやめるのが理想?

指しゃぶりの多くは、成長とともに自然に減っていきます。一般的に、3歳頃までは大きな問題になることは少なく、5~6歳までにやめられれば、歯や顎への影響も自然に改善されるケースが多く見られます。しかし、小学校入学以降も習慣が続くと、骨格の成長に影響が及び、自然な改善が難しくなる場合があります。この段階では歯科医院での相談や専門的なアプローチが必要となることもあります。

保護者のサポートがとても重要

指しゃぶりをやめるためには、無理に叱ったりやめさせたりするよりも、お子さまが安心できる環境を整えることが大切です。例えば、眠る前に手をつなぐ、抱きしめてあげるなど、指しゃぶり以外の安心手段を与えることが効果的です。また、本人が「やめたい」と思えるような声掛けや、ご褒美シールなどを使った工夫も役立ちます。
また、早い段階で歯科医院へ相談することも大切です。装置を使った小児矯正で、正しい噛み合わせへと改善する必要性が合った場合、早めにとりかかることで、お子さんに与える負担も少なくて済むこともあります。

まずはご家庭内でお子さんの指しゃぶりの癖を取り除けるよう、声掛けなどの工夫をしてあげましょう。

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