お子さんの歯並びの乱れや噛み合わせの異常の原因として考えられるのは、遺伝要素だと言われてきました。もちろん骨格や歯並びは遺伝が大きく関わりますが、お子さんの歯並びが悪くなるのはそれだけではありません。口呼吸や舌癖などによって引き起こされる口周りの筋肉の機能不全である「口腔機能不全」が歯並びに大きな影響を及ぼします。今回は、お子さんの口腔機能と歯並びの関係に焦点を当ててお話をいたします。

子どもの口腔機能不全とは?

歯並びを悪くするのは遺伝だけではなく、お口周りの筋肉の機能の低下である「口腔機能不全」も大きな原因であると言われています。日常のお口の使い方や無意識の癖によって口腔機能が低下してしまいます。口腔機能不全になると顎の成長が妨げられ、歯並びや噛み合わせの乱れに繋がってしまいます。子どもの口腔機能を低下させる代表的な悪癖として挙げられるのが、口呼吸です。お口がぽかーんと開いていると自然と口で呼吸をしてしまいますが、この口呼吸が歯並びの悪さの原因になります。

つまり口呼吸は良い歯並びを作り出すための「舌の位置の異常」を引き起こしてしまうのです。舌が正常な位置にあることで頬や唇、舌など口周りの筋肉が鍛えられて顎の骨の成長を促します。ところが口呼吸を続けると舌が下方へ下がり、頬や唇を含めた口周りの筋肉が正しく鍛えられなくなってしまいます。こういった動きが顎の成長を妨げて歯並びを悪くしてしまいます。長期間にわたる指しゃぶりや舌で歯を押すといった悪癖もお子さんの口腔機能不全を招き、顎の成長を妨げて歯並びを悪くしてしまうのです。

トレーナー療法とは?

お子さんの歯並びや噛み合わせを治すためにはまず矯正治療をお考えになることと思います。しかし歯並びを整るためには口腔機能を正常な状態に導く必要があります。永久歯に生え変わってから矯正治療を考えても、既にスペースが不足しており抜歯を余儀なくされるケースも少なくありません。

親御さんは、まだ小さいから矯正治療はもう少し様子を見てから、と考えることと思います。しかし幼少期から口腔機能を正常に導く「トレーナー矯正」を行うことで歯並びだけでなく、顔面の成長を良いものに導くことが可能になります。トレーナーと呼ばれる口腔機能改善のための装置を装着しながら口腔周囲の筋肉を鍛えるトレーニングを行うことで顎の成長を促し、「歯並びを整えるための環境」を整えることが目的です。

お子さんの良い歯並びは正しい舌の位置と口周りの筋肉を鍛えることから始まります。お子さんの歯並びや噛み合わせが気になったら、できるだけ早めに専門医へ相談されることをお勧めします。

 

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