
お子さんの乳歯は本来、自然に抜け落ちて永久歯へと生え変わります。しかし、乳歯があることでその後の歯並びに良くない影響がある場合、自然脱落を待たずに乳歯を抜歯したほうが良いと判断されることもあります。では乳歯を抜いたほうが良いのは、どのような状態のときなのでしょうか。
乳歯が抜ける仕組み
まず、乳歯が抜ける仕組みを再度おさらいしておきましょう。乳歯は上下左右あわせて20本あります。乳歯は永久歯が生えてくるまでの間、とても大切な役割を果たしますが、その寿命は長くありません。乳歯が抜ける仕組みは次のとおりです。
1.顎の骨の中で永久歯のたまごである「歯胚」が作られ、少しずつ永久歯が成長する
2.永久歯が成長するにつれ、乳歯の根っこが吸収され始める
3.乳歯の根っこが吸収されるとやがて乳歯が抜け落ちる
このような過程で乳歯から永久歯へと生え変わります。グラグラになった乳歯が抜けるのが怖くて泣いてしまうお子さんもいらっしゃいますが、「大人の歯が生えてくるからだよ」と優しく言い聞かせてあげましょう。
乳歯を抜いたほうが良いケースとは?
乳歯は永久歯へ生え変わりの時期になると、自然に抜け落ちます。しかし、乳歯がスムーズに抜けない、あるいは乳歯の存在によって、永久歯列に影響が出ることが考えられるケースでは、乳歯を抜歯したほうが良いこともあります。乳歯を外科処置によって抜く可能性があるケースとは、次のケースが考えられます。
・乳歯が抜けかけているのになかなか抜けない
・乳歯がなかなか抜けないことによって、歯並びに影響が出てしまうとき
・過剰歯の存在が認められ、歯並びを乱す可能性があるとき
特に、のちの永久歯列に悪影響が出てしまう場合、乳歯であっても抜歯するほうが望ましいこともあります。小児矯正を行う場合、基本的に抜歯はしませんが、乳歯が順調に抜けず、歯列や噛み合わせを乱してしまうことがあると考えられる場合、乳歯を抜歯して永久歯が正しい位置に生えるよう、準備を整ることもあることを理解しておきましょう。
お子さんの歯並びが気になるなら、早めに小児矯正を検討しましょう
ガタガタの歯並びや悪い噛み合わせは、お子さんの顔つきにも影響が出てしまうことがあります。その悪い歯並びが、乳歯が原因であることも否定できません。乳歯の抜ける時期やペースには個人差がありますが、いつまでたっても抜ける気配が全くない場合、永久歯が先天的に欠損していることもあります。なかなか抜けない乳歯や抜いたほうが良いかなど、お子さんの乳歯や歯並びについて不安な点があれば、できるだけ早めに歯科医師に相談しましょう。