子どもの矯正治療には第一期治療と第二期治療があることはわりとよく知られています。お子さんが第一期治療を終えたら親御さんはホッとされることと思いますが、引き続き第二期治療は受けたほうが良いのか迷うこともあるでしょう。今回は、第二期治療の必要性についてお話をいたします。

第一期治療と第二期治療の違いについて

はじめに、第一期治療と第二期治療の違いについて改めてご説明いたします。言葉では聞いたことがあるものの、実際に何が違うのかについてお話いたしますので、参考にしてください。

第一期治療

第一期治療とは、お子さんの顎の骨の成長を促し、永久歯が正しい位置に並ぶスペースをつくるための「土台をつくる」治療のことです。お子さんの顎の骨が狭い、あるいは上下のあごの骨のバランスが悪いと、永久歯が正しい位置に並ばず。歯並びや噛み合わせが悪くなってしまう可能性が高くなります。第一期治療では、子どもの顎の骨の成長を最大限に利用して、こういった問題を解決していきます。

また基本的に生え変わった永久歯の抜歯をしないため、お子さんへの負担も少なくて済みます。

使用する装置はお子さんの歯並びや顎の骨の状態によって異なりますが、多くは床矯正やムーシールドなどの取り外し式のマウスピースのような装置を使います。お子さんの歯並びの状態によっては、急速拡大装置などの固定式装置を使うこともあります。

一般的に第一期治療は、3~4歳くらいからと考えられていますが、開始時期はお子さんの歯並びの状態によって異なります。

第二期治療

第二期治療は、永久歯が生え揃った状態で行われる矯正治療です。大人と同じ方法で矯正治療を進めていきます。第二期治療は、第一期治療で整えた歯並びと噛み合わせを、さらにきれいに整えていくことを目的としています。

第一期治療を行ったお子さんの場合、ほとんどの場合抜歯することがありません。永久歯の抜歯は乳歯の抜歯に比べて負担がかかりますので、第一期治療を終えたお子さんにとって、負担が少なくて済みます。

第二期治療で使用する装置は、ブラケットとワイヤーを使ったワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正です。

第二期治療は絶対必要なの?

第一期治療を終えたお子さんは、必ず第二期治療が必要かどうかというと、第一期治療を終えてみないと何とも言えない、というのが率直な答えです。第一期治療で歯並びと正しい噛み合わせに改善された場合、第二期治療が不要になることもありますが、多くの場合、第一期治療を経て、よりきれいな歯並びと噛み合わせを整えるため第二期治療へ移行されます。

また、第一期治療から第二期治療へ移行したお子さんと、第一期治療をせずに第二期治療からスタートしたお子さんの治療期間を比べると、第一期治療をしたお子さんのほうが第二期治療の治療期間が短くて済みます。このことも踏まえ、できれば第二期治療を受けたほうが、より満足のいく歯並びになると考えられるでしょう。

親御さんのお考えもあると思いますので、お子さんの治療過程と第一期治療後の結果を見ながら決めていかれると良いでしょう。

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