お子さんの矯正治療は成人の矯正と異なり、保護者の方の協力や観察が不可欠です。特に矯正装置を付け始めると、むし歯などのリスクが高まってしまいます。

またそれ以外にもお子さんの矯正にはトラブルが起きやすく、場合によっては治療計画通りに進まなくなり、矯正治療そのものを断念せざるを得ないこともあります。

それでは子どもの矯正で起こりやすいトラブルとはいったい何でしょうか。

装置によるトラブル

お子さんの矯正治療におけるトラブルは、装置によるものとお口の中の環境によるものに分けられます。まずは装置によるトラブルについて見てみましょう。

1.装置の紛失や破損

お子さんの矯正には、拡大装置と呼ばれる顎の骨を広げるための取り外し式装置と、ワイヤー矯正、マウスピース矯正といった成人と同じ装置が使われます。お子さんの矯正で装置によるトラブルで多いのは、装置の紛失や破損です。

特に拡大装置は雑に扱うと破損しやすい部品が使われているため、ついうっかり落として装置が壊れてしまったという声も少なくはありません。

またマウスピース矯正の場合、紛失というトラブルが起こりがちです。特に出先で食事を行った際、装置ケースを忘れてお手拭きに包んでおいたのをついうっかり忘れてきてしまった、というケースが考えられます。

2.装置によるお口の中のケガ

次に多いのが、装置を付けていることでお口の中をケガしてしまうという事例です。ワイヤー調整の際にワイヤーが口の中に刺さることはめずらしくありませんが、ワイヤーが粘膜に当たるととても痛く、口内炎に発展してしまうこともあります。

あるいは活発な時期であるため、お友達とぶつかって口元を強くぶつけ、装置が破損してしまったというケースです。

またマウスピース矯正の中でも、素材や形状に問題があるマウスピースでは歯ぐきを傷つけて炎症を起こしてしまうこともあります。

このように、装置によってお口の中を傷つけてしまうことがあります。

お口の中の環境によるトラブル

装置以外にお口の中にトラブルを引き起こすのは、お口の中の衛生環境が悪いことです。特にワイヤー矯正は歯磨きし辛く汚れが残り、それがプラークとなって虫歯の原因になってしまいます。

また装置がついていることで汚れがきちんと落とせない場合、歯ぐきの腫れや出血などといった歯肉炎による炎症を引き起こしてしまいます。

矯正治療中は特にお口の環境に気を配り、清潔な状態を保つように気を付けなければいけません。小さなお子さんの場合、歯磨きがうまくできないため保護者の方がしっかりと仕上げ磨きをしてあげましょう。

お子さんの矯正治療は保護者の協力が欠かせません。お子さん自身で装置やお口の中の管理ができることが理想ですが、実際はなかなか大変です。

お子さんの歯並びをきれいに治してあげるためにも、お子さんの矯正治療生活をサポートしてあげてください。

 

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