
お子さんにはきれいな歯並びであってほしい、というのは親御さんの願いのひとつではないでしょうか。良い歯並びにするには、小児矯正が選択肢になりますが、矯正治療だけでなく、永久歯が生えるまでにしておくべきことを行うことで、お子さんの矯正治療の選択肢が変わってくるかもしれません。では永久歯が生えるまでにできることとは、どういったことでしょうか。
歯並びが悪いのは仕方がない・・・?
お子さんの歯並びやかみ合わせについて心配事があると、「顎が小さいから」「歯並びは生まれつきのものだから」「親の遺伝だから仕方ない」など、どうしてもネガティブに考えてしまうかもしれません。もちろん、顎の大きさや遺伝は歯並びが悪くなってしまう原因になると考えられています。そして、お子さんの歯並びや噛み合わせを整えるには、矯正装置を使った小児矯正を行うことが改善への糸口になることも理解されていることでしょう。
しかし、小児矯正を始めるから何もしなくても良い、とお考えではありませんか?永久歯に生え変わるまでの間に「できること」があるのです。「できること」をしておくことで、お子さんの小児矯正での負担が減る可能性もあります。では、「できること」とは具体的にどのようなことなのでしょうか。
永久歯に生え変わるまでに「できること」とは?
子どもの良い歯並び、噛み合わせの目的は「顎の骨の発達を促し、歯が正しい位置に並ぶための土台をつくること」です。永久歯が正しい位置に並ぶためには、顎の骨の発達が欠かせません。永久歯は乳歯よいも大きいため、顎が広がっているかどうかで大きな差が出てきます。では、お子さんの歯が乳歯から永久歯に生え変わるまでの土台作りに関してできることとは、どういったことなのでしょうか。
・よく噛んで食べること
しっかりと噛んで食べることは、顎の骨の成長を促します。また柔らかいものばかり食べていると、顎の骨が鍛えられません。噛み応えのある食材を使い、しっかりと噛んで食事をすることが、永久歯が並ぶための土台作りの基本になります。
・悪癖をできるだけ早く治すこと
悪癖とは、口呼吸、指しゃぶり、爪を噛む、舌を突き出すなど歯並びに悪影響を与える癖のことです。このような悪癖がお子さんにある場合、できるだけ早期に悪癖を治すようにしてあげましょう。
・姿勢を正しくすること
お子さんでも猫背や頬杖、足をぶらぶらさせて座るなど、悪い姿勢で日常生活を過ごすことがあります。このような姿勢の悪さは、口、顎周りの筋肉や骨格のバランスが崩れてしまいます。その結果、顎が正しい方向へ成長することが妨げられ、歯並びや噛み合わせも悪くなってしまいます。特に最近は長時間ゲームやスマホと過ごすお子さんが多く、その際の姿勢はほとんど猫背など悪い姿勢になっています。姿勢を正し、猫背にならないよう声掛けをしてあげましょう。
このように、悪癖を改善し、顎の骨の成長を促すことで永久歯の並ぶスペースが確保できることがあります。永久歯への生え変わりの時期は、まさに顎の骨の発達段階です。もちろん小児矯正が必要になるケースもありますが、まずは顎の骨の成長を促すための「できること」からはじめてあげましょう。