乳歯は、永久歯を正しい歯列へ導くというとても需要な役割があります。成長とともに、歯ぐきの中に並んでいた永久歯が押し上げられるように生えることで、乳歯はグラグラになって自然に抜け落ちます。しかし乳歯が早い段階で抜歯になってしまったら、後に生える永久歯にどのような影響があるのでしょうか。

 

乳歯を早く失ってしまった場合、歯並びにどのような影響が出るのか

 

生え変わる乳歯は、永久歯が下から押し上げることによってグラグラし始め、自然と抜け落ちます。可愛らしい乳歯が役目を終えた部分を見ると、永久歯が数ミリ、顔を出していることでしょう。このように、乳歯は然るべき時期が来ると、その機能を終了します。

しかしまだ乳歯が必要な時期に乳歯を失うと、永久歯の歯列に深く関係してしまうことが考えられます。

と言うのも、まだ永久歯が生えてこない段階で乳歯を失ってしまうと歯列が狭くなり、永久歯が正しい位置に並ばない可能性が高くなるからです。

乳歯は上下合わせて20本あり、専門的に言うと、前歯から奥歯に向かってABCDEという表記をします。例えば大人の小臼歯にあたる前歯から4番目の「D」を失ってしまった場合、CとEの間に隙間が生じます。既に永久歯が顔を覗かせている場合は大きな問題になりませんが、まだ永久歯が生えてくる兆候が全くなく、長期間隙間があいたままの場合、両隣の乳歯が傾斜する可能性があります。乳歯が傾いたままようやく永久歯が生えてきたときには、永久歯が並ぶスペースが狭くなっており、斜めに生えたり、後方へ引っ込んでしまったりといった並び方をしてしまう可能性が非常に高くなります。

このような並び方が、永久歯の歯並びの乱れに繋がってしまうのです。

 

乳歯に多いトラブルの代表は「むし歯」

 

乳歯のトラブルは、なんと言ってもむし歯です。乳歯はエナメル質が薄いため酸に溶けやすく、ケアを怠ると、簡単にむし歯になってしまいます。もし乳歯がむし歯になった場合、乳歯だからといってすぐに抜くわけではありません。小さなむし歯ならレジンを詰めます。神経近くまで達したむし歯の場合、大人と同じように神経の治療を行って乳歯を温存します。

乳歯には、噛む機能を育てる他に、永久歯を正しい位置に導くという非常に大切な役割があります。そのため、もし乳歯がむし歯になった場合、できる限り乳歯を温存する方向で治療を進めていく必要があります。

しかし乳歯はむし歯になりやすい性質があるため、あとから生える永久歯のためにも乳歯をむし歯から守るケアがとても大切なのです。

 

将来のお口の健康を考えてあげましょう

 

小さなお子さんの歯列矯正として、顎の骨の成長を促す「床矯正」がありますが、トラブルを未然に防ぐことができるならば、それに越したことはありません。それに乳歯のむし歯は、永久歯に生え変わったあともむし歯になりやすいのです。

 

正しい歯列は健康な歯から導かれます。将来の歯並びのためにも、お子さんの大切な歯を守ってあげましょう。

 

SH療法・床矯正について詳しい治療内容についてはこちら