お子さんの矯正治療を円滑に進めるためには、歯磨きがとても重要です。特に固定式装置を付けている場合、とても歯磨きがしにくいため、むし歯がたくさんできてしまっていた、ということになりかねません。矯正をしていないお子さんはもちろん、今から矯正治療を始めるお子さん、既に矯正治療を進めているお子さんにとって、むし歯予防はとても大切なのです。

お子さんご自身では、なかなか丁寧に磨きにくいものです

矯正治療の有無にかかわらず、歯磨き自体とても難しいものです。大人でもきちんと磨くのが難しいのに、まだ小さなお子さんが自分で頑張って磨いても、どうしても上手に磨けないものです。

そこへ矯正装置を付けると、ますます歯磨きしにくくなることでしょう。取り外し式の床矯正やマウスピース矯正の場合、まだ磨きやすいですが、ワイヤー矯正や急速拡大装置など、一定期間取り外しが出来ない装置がお口の中にあると、非常に歯磨きがし辛いことは容易に想像がつきます。

歯磨きがきちんとできていないと、むし歯リスクがとても高まってしまいます。矯正治療が始まってからむし歯になってしまうお子さんも少なくありません。それはやはり、歯磨きのし辛さによるものが最も大きな原因でしょう。

お子さんの歯、むし歯になりやすいところとは?

むし歯は、食べかすやプラークといった汚れが溜まりやすいところに作られてしまいます。歯の表面は磨きやすいので、比較的むし歯の発生は抑えられますが、歯の表面以外のところはプラークが溜まりやすいので要注意です。

特にプラークが溜まりやすい場所として、

1.歯と歯の間

2.歯と歯ぐきの境目

3.奥歯の噛み合わせの面(咬合面)

が挙げられます。歯と歯の間はフロスを通すことで汚れを取り除けますが、なかなかうまくフロスが通せないお子さんもいらっしゃるでしょう。またワイヤーが通っていると、フロスが通しにくくなってしまいます。

歯が動き始めることで、隠れていたむし歯が見つかるケースが多く見られます。

歯と歯ぐきの境目は、むし歯とともに、歯ぐきの腫れる原因となります。歯ぐきが腫れると歯磨きの時に出血し、歯肉炎になってしまいます。

そして奥歯の噛み合わせの面にも、むし歯は作られやすいのです。奥歯は歯に溝があり、そこに余晋吾レが溜まると虫歯菌が活動して歯が溶けてしまいます。特に第一大臼歯(6歳臼歯)は前から見辛く、磨き残しになりやすい歯です。大人の歯の中でも第一大臼歯は非常に重要な役割を持つ歯ですが、むし歯になりやすい歯でもあるのです。

矯正治療中でも歯のクリーニングに通いましょう

まだ仕上げ磨きが必要な年齢のお子さんの場合、親御さんがしっかりと仕上げ磨きをしてあげましょう。しかし、小学生高学年以降になると、仕上げ磨きをする親御さんはほぼいらっしゃらなくなります。

自分できちんと磨ければいいのですが、なかなか難しい問題でしょう。そこはやはりプロの手を借りて、しっかりとクリーニングしてもらうことが大事です。お子さんの矯正治療中も継続的に歯のクリーニングに通い、むし歯予防をしながらお子さんの歯並びを改善させてあげてくださいね。

当院の小児矯正の治療の流れについてはこちら