お子さんの歯並びや噛み合わせが悪くて気になるけど、「別に子どものうちから矯正治療を始めなくてもよいのでは?」と考える親御さんも当然いらっしゃると思います。きれいな歯並びや正しい噛み合わせへと改善させる矯正治療は、子どもの頃から始めないといけないのでしょうか。

矯正治療自体は何歳からでも始められますが・・・

結論から言いますと、絶対に子どものうちから始めなければいけないという決まりはありません。矯正治療は何歳でも始めることができます。40代50代から矯正治療を始めている方も少なくありません。重度の歯周病でない限り、年齢を問わず治療が開始できることが、矯正治療の大きな特徴のひとつです。

ただ、子どもの頃から矯正治療を始めるのと成人後に始めるのでは、歯の動くスピードなどに差があると言われています。というのも、子どもの顎の骨はまだ成長段階で柔らかく、歯の位置や噛み合わせを改善させるのに適しているからです。

また成人矯正の場合、歯並びの状態によっては抜歯が必要となることもありますが、小児矯正は顎の骨の成長を促したり、お口周りの筋肉を鍛えて舌の位置を正しく改善させるなど、口腔機能を整えることを主な目的としています。そのため抜歯をせずに済むケースが多く、お子さんに負担が少ないことも小児矯正のメリットのひとつです。

「自分の意思で矯正をするかどうか」という意識の問題

小児矯正から始めることで、お子さんに負担が軽く、成人矯正と比べると経済的にもメリットの多い小児矯正ですが、ひとつ問題となることは「自分の意思で矯正をするかどうかの違い」です。

小児矯正の場合、小学校高学年くらいになると自分の意思で矯正を頑張る!というお子さんが増えてきますが、まだまだ低年齢のお子さんは、親御さんの希望によるものがほとんどです。慣れない装置を付けて大泣きしたり、友達に装置を見られるのが恥ずかしい、初めから装置を付けるのを嫌がってそのまま放置・・・というケースも珍しくありません。

成人矯正は方、ほぼ全員が自分の意思で矯正を始められますので、多少の痛みや金銭的な問題もあまり負担にならないでしょう。また最後まで矯正をやり遂げられるのも、成人矯正ならではでしょう。

この「意識の差」が小児矯正と成人矯正の違いかもしれません。

お子さんの気になる歯並びは、相談だけでも早めがお勧めです

矯正治療自体は大人になってからでも始められます。ですが前述したとおり、子どもの頃から矯正治療を始めることで得られるメリットは多く、成人後の見た目や口腔機能にも差が出てきます。

今すぐに矯正を考えていなくても、お子さんの歯並びや噛み合わせについて気になることがあれば、相談だけでも受けてみてはいかがでしょうか。特に小児の受け口などは早期に治療を開始したほうがよいこともあります。また受診することで、お子さんの悪癖などを見つけられることもあります。また矯正を開始したほうが良い時期なども相談できるため、まずは専門医のカウンセリングを受けてみられることをお勧めします。

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