歯並びの良し悪しには様々な要因があります。遺伝など先天的な要因のものと、指しゃぶりなど後天的な悪癖によるものに分けられますが、その後天的な原因のひとつに「舌の位置」があります。お子さんの歯並びの悪さは、もしかしたら舌の位置も関係しているかもしれません。舌の位置により、歯並びが変わってくることをご存知でしょうか。

 

何かに集中しているときのお口の状態と舌の位置について

普段舌の位置など気にしていない方がほとんどだと思います。もし舌の位置が悪いと、お口がきちんと閉じておらず、いつもポカンとお口が開いている状態になっています。あなたのお子さんは、本を読んでいるとき、宿題をしているときなど、何かに集中しているときにお口がきちんと閉じていますか? お口が開いた状態ということは、舌が正しい位置に収まっていないということです。

お口が開いた状態の舌の位置は、舌が下方にあります。舌先が下の歯の裏側に下がっているため、下の歯を舌で押してしまっているときもあるでしょう。

その結果、歯並びの乱れなどを引き起こしてしまいます。

歯並びの乱れは舌の癖により引き起こされてしまいます。特に成長期は、良くも悪くも歯が動きやすい時期であり、舌の位置が正しいか間違っているかによって大きく変わってきます。日頃の癖が、歯並びや顎の発達に影響を与えてしまうことを、まずしっかり理解しておかなくてはいけません。

 

舌の位置が低いとどんなことが起こる?

では舌の位置が低位置にあることで、どんな悪影響が起こるのでしょうか。

・下の歯が悪癖によって押し出され、受け口になってしまう

・ポカン口になることによる口元の突出など顔貌の変化

・口呼吸

特に口呼吸は歯並びの乱れを引き起こすだけでなく、体の健康にも悪影響を引き起こすことがあります。呼吸は本来鼻で行います。鼻で呼吸を行うことで空気中のウイルスや細菌の体内への侵入を阻止しますが、口呼吸はこれらをダイレクトに体内に取り込んでしまいます。その結果、風邪やインフルエンザなどになりやすくなってしまいます。また、口呼吸の場合は、脳の冷却効果がなくなり集中力・学力の低下につながることがあります。

 

正しい舌の位置とは

では正しい舌の位置とはどこでしょうか。舌の正しい位置とは、上顎の裏側です。上顎の前歯の歯と歯ぐきの境目に、舌の先端が軽く触れているのが正しい位置です。そこは「舌スポット」と呼ばれており、舌が本来収まっている位置です。この位置に舌があると、お口はポカンと開きません。呼吸も口でなく、鼻で行われるため、口呼吸による悪害の影響はなくなります。

お子さんの歯並びが気になる要因は様々ですが、歯列矯正を行うだけでなく、舌の位置をはじめとした日常の悪癖を改善させてあげることが、歯並びや不正咬合を正しく導くことになります。まずはお子さんの日常をしっかりと観察してみてください。

 

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