いびきがすごく全く熟睡ができない30代女性からの問い合わせ。数年前に耳鼻咽喉科にて、鼻腔の手術をしたが全く改善せず、もしかして歯並びが悪いためにいびきをかくのかもしれないと言われたそうです。
 お口の中を拝見すると、上下顎共にかなり歯並びがガタガタしていて、奥歯が内側に倒れこんでおり、舌の側面には歯型がついている状態でした。また、鼻呼吸ができるにも関わらず、口元がポカンと開いた状態で口呼吸をしていて、立つと前かがみの姿勢になります。このような症例の場合は、舌スペース(上下の歯列が形成する空間)が狭く、舌が窮屈な状態で喉の奥の方に位置することでいびきをかくことになります。起きているときは、舌が後方に位置していると呼吸しにくいので、舌を前方に出そうとして口がポカンと開きます(口呼吸)。そうすると視線が上方に向くので、それを補正するために前かがみ姿勢になってしまいます。歯並びを綺麗にして舌スペースを広く(本来の大きさ)することで舌位置が改善され、いびきが改善される可能性があります。ガタガタがひどい場合でも、抜歯せずに矯正することで舌スペースを広くできます。大人の場合でもSH療法を行うことでいびきや歯ぎしりが改善することがあります。