下の歯が上の歯を覆ってしまう不正咬合である「受け口」は、早い段階で起こることがあります。特に遺伝要素が強く、まだ小さいうちからお子さんが受け口になっていると、親御さんとしては受け口を改善させてあげたい、と思われることと思いますが、あまりにも小さいうちから矯正治療を始めても効果がないのでは?と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう、今回は、子どもの受け口の治療時期についてお話をしたします。

受け口になる原因は?

子どもの受け口には、上の歯が内側へ傾いている、あるいは上の顎に比べて下の顎が大きく、かつ前方へ出ているものに分けられます。

歯並びが原因で受け口になる場合、日常的な癖によって上の前歯が内側へ傾いてしまうことがあります。特に指しゃぶりや舌で前歯を押す、爪を噛むといった癖は出っ歯だけでなく、受け口を誘発する要因になってしまいます。

これに対し、顎の大きさや位置関係といった骨格の問題である場合、先天的な要因によって受け口になる可能性が高くなります。前述したように、骨格配電しやすい為ご両親や親族に受け口に方がいらっしゃる場合、お子さんも受け口になってしまう可能性が高くなります。

気になるお子さんの受け口、いつくらいから治療が必要?

お子さんが受け口になると、やはり親御さんとしては将来の見た目がとても気になるもの。できれば矯正治療できれいに治してあげたいとお思いになることと思いますが、気になるのが「いつから治療をすればいいのか?」ではないでしょうか。早く治してあげたい反面、あまり早くから治療をすると子どもに負担がかかる、また早く治しても元に戻ってしまうのではないかなど、色々悩まれることと思います。

もちろん小学生や中学生になってからでも治療はできますが、受け口の治療開始は早いほうが良いと言われています。幼少期の顎の骨はまだまだ柔らかいため、正しい顎の位置に改善しやすいのです。

早期に受け口治療を始めると、その後の歯並びや噛み合わせにも良い影響を与えるでしょう。

幼少期の受け口の治療とは?

通常矯正治療ときくと、取り外し式の床矯正やワイヤー矯正などがイメージとして浮かぶと思いますが、幼少期からこのような装置を使って治療をすることはあまりありません。では小さなお子さんの受け口治療にはどのような装置が使われるのでしょうか。

・ムーシールド

マウスピースのような形状で、取り外し式の装置です。主に4~6歳くらいまで使用します。就寝時のみ使用するため、お子さんに大きな負担はあまりありません。

・パナシールド

こちらも取り外し式の装置で、下顎を後退させることが主な目的です。床矯正のプレートと併用することも可能で、口輪筋の活性化にも期待できます。

・プレオルソ

こちらもマウスピースタイプです。歯を動かすのではなく、歯並びを悪くしている口周りの筋肉を鍛え、歯並びと噛み合わせを改善することを目的とした装置です。

その他にもアイスリーなどの装置があり、お子さんの受け口の状態によってどの装置を使うのかを決めていきます。

お子さんの受け口が気になったら、できるだけ早めに相談を

受け口はそのままにしておいても自然に改善は期待できません。早めに治療を始めることでお子さんへの負担も少なくて済みます。また受け口を早期に改善させることで、正しい噛み合わせへと導くことができますので、できるだけ早めに相談することをお勧めします。

 

当院のお子さんの受け口治療について詳しい内容はこちら