お子さんの歯並びが気になると「矯正治療をしなければいけないかも」とお考えになる親御さんは多いと思います。しかし、装置を付けて歯を動かすことだけが矯正治療ではありません。お子さんの良い歯並びのためには、まず食事が大切です。お子さんはよく噛んで食べていますか?今回は、よく噛むことの大切さについてお話をいたします。

なぜよく噛むことが大切なの?

細菌の食の傾向として、「柔らかいもの」「すぐに飲み込めるもの」というものが非常に多いのではないかと思います。ファストフードやできあいのお惣菜、インスタント食品などは、その代表ともいえるでしょう。

このような柔らかいものはよく噛まなくても飲み込むことができます。そして、よく噛まないことはお子さんの歯並びの悪さに大きく影響するといっても過言ではありません。

しっかり噛むことは、乳歯から永久歯への生え変わりに重要な影響を与えます。永久歯は乳歯よりも大きいため、顎がじゅうぶんに発達していないと永久歯が並ぶスペースが足らず、永久歯列が乱れてしまいます。つまり二人掛けの椅子に三人が無理やり座ろうとすると、誰かがはみ出てしまいます。それと同じような理論で狭い顎では永久歯が並びきらず、歯並びがガタガタになってしまいます。

顎の成長は、よく噛むことで促されます。反対に柔らかいものやよく噛まずに飲み込む癖がついてしまうと、顎の成長が促されず永久歯列がガタガタになってしまう可能性が高まるのです。

永久歯が生え変わる前から噛むことを意識づけること

個人差はありますが、永久歯への生え変わりは5~6歳くらいから始まり、12~13歳くらいでほぼ永久歯が生え揃います。永久歯がきれいに生え揃うためには、小さい頃からよく噛む習慣を身に付けておくことが大切です。

目安としては、4~5歳くらいからしっかりと噛んで食事をする習慣をつけておくことをお勧めします。食事の中で噛み応えのあるものがメニューの中にあると理想的ですね。

例えばスティック状にしたきゅうりや人参、アーモンドや小魚などはよく噛まないと飲み込みにくい食材です。またりんごや梨などはくし切りにして与えると良いでしょう。

既に離乳食の時期は過ぎているので、少し大きめに切ったり、やや硬めにゆでるなど調理に工夫すると、噛む回数も増えてくると思います。

お子さんの良い歯並びのためにも、食事はとても大切です。柔らかいものばかりではなく、よく噛むことを意識付けできるような食材を使い、お子さんの良い歯並びへと導いてあげましょう。そのうえで、お子さんの歯並びで気になることがあれば早めに専門家に相談してみましょう。

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